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東大生と学ぶ楽しさ

東京大学工学部3年 れい先輩

まず、東大合格にあたって、失敗談なくしては語れないので、その失敗談からお話ししようと思います。

私は高校3年生のとき、東京大学理科一類を受験し不合格になりました。原因は単純なる勉強不足でした。多くの高校生が思っているのと同じように私も勉強したくなかったのです。勉強が嫌いというわけではありませんでしたが、自分一人の空間だと、どうしても勉強をする気がおきない、勉強しなくてはいけないとわかっていても次から次へと他のどうでもよいことに無駄な時間を割いてしまう。テスト前に部屋の掃除を始めたり、漫画を一気見したりするやつですね。こういう人は多いのではないでしょうか。

これに加え楽観的な性格も相まって、模試で良い判定を取ると油断して勉強しなくなってしまうのです。しかし私は不合格の経験を通して真面目な性格になった、というわけではありません。浪人期も大学生の今も基本的に怠け癖は変わっていません。ではどうやって東大に合格したかというと、環境を変えました。一人でいると勉強しない習性は気合ではどうにもならないほどに自分に染みついていたので、予備校の自習室にひたすら籠りました。自習室だと他の人も勉強しているし、漫画はないし、掃除するところもないし、スマホをいじろうにも長時間いじるほどの通信量もない。そんな環境に身をおくことで、しょうがないから勉強するかと自分を諦めさせました。自習室でしっかり勉強に励んだ結果、一年前の雪辱を果たすことができました。すごく普通で何の面白みもありませんが、合格のプロセスは自習室に籠ってたくさん勉強したということです。

さて、これを読んでくださっている方々に向けてですが、「東大に合格した方法」ときくと、数学の難問を解くテクニックや英文を早く読める方法といった勉強方法に関するもの、もっといえば普通の勉強方法なんかではなくて東大生ならではの奇抜な勉強方法に惹かれがちではないでしょうか。確かにこういった話は魅力的ですが、学力には個人差があるので実践しづらいものが多いと思います。
それに対して自分が勉強できる環境に身を置くということは各々が実践できるものです。学校に遅くまで残って勉強するも良し、塾の自習室を使うも良し、近くの図書館で勉強するも良し。効率の良い勉強法といった難しいことは置いといて、まずは自分が勉強できる環境で十分な時間、勉強をすることが東大に限らず、志望校合格への大きな一歩ではないでしょうか。

東京大学工学部3年 れい先輩